第90巻 海が危ない!! 美味しんぼ探偵団 by ぐるラビ
美食探偵団 > 食の安全を考える > 第90巻 海が危ない!! にいます。 第90巻 海が危ない!!山岡は、会社の廊下で、サーフボードを持っている運動部の井部とぶつかりそうになる。その後、昼食の席が一緒になった山岡は井部に、サーフィンについて日ごろ思っている悪口を話す。たまたま、井部が大食漢だったことから、井部がショウガ焼き丼を5杯食べたら、サーフィンの悪口を言っている山岡がサーフィンをはじめるという賭けをする。井部は、見事五杯完食したので、山岡はサーフィンに挑戦することになる。 次の休日、山岡、ゆう子、富井、典子、静江などは、井部の誘いで、葉山・長者ヶ崎を訪れ、サーフィンに挑戦することになる。一行は、まず、サーフィンをしている地元の人々を紹介されるが、その中には、「横須賀・葉山の海を守る会」のメンバーも含まれている。いよいよ、サーフィンに挑戦するが、見るのとは大違いで、なかなかサーフボー ドに立つ事は出来ない。が、ついに、山岡がサーフボードに立てたので、皆で大喜びする。 サーフィンのあと、井部は、一行を自分の両親の家に案内してくれる。そこで、皆は、シャワーを借り、地元で取れた海の幸をご馳走になる。井部の両親は、先祖代々の漁業権を持っているので、自由にアワビや伊勢海老を取ることが出来ると話す。山岡たち一行は、赤ムツの煮物、生のシラス、アワビの刺身、ワカメのサラダ、タコの煮物、イカの刺身、とこぶしご飯などをご馳走になり、大満足である。山岡たちは、美味しいご飯を食べながら、サーフィンが楽しめて、こんなに海の幸が楽しめて、ここら当たりは極楽ですねと口々に誉める。すると、井部の両親始め、地元の皆の顔が曇る。そして、このままいけばサーフィンも出来なくなり、アワビもトコブシもワカメの養殖も出来なくなり、海の幸が全滅すると話すので、山岡たちは思わず箸の手を止めるのだった。 極楽のように思っていた井部の故郷から海の幸が全滅すると聞いて、山岡たちが驚くと、「横須賀・葉山の海を守る会」の今泉が、地図を広げ説明してくれる。今泉によると、横須賀市は、長者ヶ崎付近と久留和海岸の付近に人口リーフを設置しようとしていると説明する。人口リーフとは、テトラポットや波消しブロック、巨大な台形のコンクリートの構造物を置いて岸に打ち付ける波の力を弱めようとするものである。もし、人口リーフが置かれると、潮の流れが変わってしまうので、ワカメの養殖もアワビもトコブシも取れなくなり、魚も取れなくなり、サーフィンも出来ないと皆は嘆く。 何故そのようなことをするのかとゆう子が聞くと、波による海岸侵食が進んできたからだと今泉は答えるが、その海岸侵食も、もとをただせば、道路や背後地などの崖侵食を防ぐた めに設置した護岸や擁壁のせいだと説明され、山岡たちは、行政にたいして不審の念を持ってしまう。山岡たちにたいし、今泉や地元の人たちは、砂浜がなくなって、海の侵食が激しくなった現実は何とかする必要があると思うが、市のやり方が乱暴すぎると話す。市や県のやり方では、完全に海の自然を破壊してしまうので、自分たちは、この工法以外のやり方を考えていきたいと話す。神奈川県には、相模湾全体に人口リーフを入れる計画もあることを知り、富井が、この工事にかかる経費を尋ねる。人口リーフだけで10億という予算を知ると、富井は、国土交通省の事業は必ず利権がらみだと指摘し、国土交通省も、県も市も担当者は任期が終われば、責任は取らないが、自然破壊だけは永遠に残るとこの問題を嘆じる。皆も富井の話に深くうなずく。 次の休日、山岡たちは、久留和海岸でカワハギ釣りを楽しむ。釣ったばかりのカワハギに舌鼓を打ちながら、一同は、海は漁師、サーファー、浜辺で遊ぶ人皆のものだと意見を一致させるのだった。 |
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