第22巻 食品成分表の怪 美味しんぼ探偵団 by ぐるラビ
美食探偵団 > 食の安全を考える > 第22巻 食品成分表の怪 にいます。 第22巻 食品成分表の怪パスポートを持っていなかったというだけで警察に連行されそうになっていたタイからの留学生を通りがかった山岡たちが助けようと口論しているとちょうど中松警部がそこを通りがかる。中松は彼らの行動がアジア人いじめであることを指摘しタイ留学生を助けた。アナットというその青年は、後日山岡たちをタイ料理の美味しい店に案内してくれた。今まで馴染みの少ないタイ料理だったが、タイ風のえび団子スープとも言える「トムヤムクン」、タイ式のビーフサラダ「ヤアアム・ヌエア」など味も複雑で香りも豊かな料理をみな満喫した。ところが隣りに座っていた客は、こんな辛いものを食べていたら馬鹿になる、と声高に言う。店長が山岡たちのテーブルに来て、日本では野菜の入手が大変だ、日本のものは味が落ちて駄目だというと、隣りの客たちは、日本の野菜 がまずいはずはないだろう、発展途上国のくせに大きなことを言うな、と反論する。山岡はそれほど日本の野菜がいいというなら明日もう一度この店に来るよう半ば強引に彼らに告げる。翌日、山岡はホウレンソウを二種類用意して彼らに食べさせた。一方のホウレンソウは渋くて食べられたものではない、しかしもう一方のホウレンソウは甘みがあり、生で食べても美味しいものであった。何故か。山岡は「日本食品標準成分表」という本をテーブルの上にだし、1950年に記されている各野菜に含まれる栄養素の割合のデータと1982年の同じ野菜のデータの比較をした。同じ野菜でもこの40年間にビタミンやカロチンなどの栄養素が三分の一以下になっていることに皆呆然とした。原因ははっきりとしている。農薬や除草剤の多用である。雑草を殺す力を持った除草剤が野菜に悪影響がないはずがない、虫を殺す農薬についても同類だと山岡は語る。その悪い薬が野菜の体に悪いものをため、それらが余分なエグさや渋さとなり現れるのだという。タイでも近年日本と同じような状況が起きているという。農薬や除草剤の問題は地球規模で考える必要があり、先日無礼な言動をした客たちも大きく自分たちの 思い上がりに反省したのだった。タイ料理を堪能した二木は「世界味めぐり」の方針を東南アジアにすることを決めた。 |
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