第39巻 長良川を救え!  美味しんぼ探偵団 by ぐるラビ

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第39巻 長良川を救え!

第39巻  長良川を救え!

小泉が情報産業釣友会で鮎釣りに行く幹事になったので、山岡とゆう子に鮎つりも出来て何かおいしいものも食べれる場所を探すようにと業務命令を下す。小泉の強引さに腹を立てていた山岡だったが、ゆう子たちとご飯を食べに行った食堂で、しじみの台湾風を食べて何か思いつく。そしてゆう子に、小泉たち一行を送り込む場所が決まったと話す。 山岡が小泉たちのために選んだ場所は、長良川である。一行はまず、長良川の鵜飼を楽しむ。鵜が取った鮎のほうが、釣った鮎よりも美味しいと言われていると山岡が話すと、さすが「究極のメニュー」の担当者だと皆が感心し、小泉も鼻が高い。 次の日、鮎つりに長良川を訪れた山岡たちは鮎をどんどん釣りあげる女性に出会う。鮎釣り名人ですねと山岡が話しかけると、その女性は余計なことを言うなと怒鳴り返す 。そして、せっかく釣った鮎を川に戻してしまうので皆驚く。そこへ、その女性めがけて、数人の男たちが怒鳴り込んできて、入漁料を払えとすごむ。すると、その女性は何故自分が入漁量を払う必要があるのかと問い返す。彼女は、自分は放流した稚魚が大きくなった鮎ではなく、天然の鮎しかとっていないから入漁料を払う必要がないというのだ。それは、詭弁だと男たちが言うと、山岡が話しに割り込む。 山岡は鮎釣り名人の恩田に教えてもらったといって、放流した鮎と天然の鮎ではひれの形、全体の姿かたち、そしてひれの色が違うことを皆に示す。そして、その女性が言うとおり、彼女がとった鮎はすべて、天然のものであった。男たちは、負け惜しみを言いながらも、今日のところは退散する。 男たちが去ると、女性は山岡たちに自分は鮎子といって、病気の父に食べさせるために鮎を取りに来たと話す。だがその横顔は寂しげで、もうすぐ長良川が死ぬから、天然の鮎は取れなくなると語る。そんな鮎子の言葉を受けて、山岡は長良川は死ぬのではなく、殺されてしまうと皆に告げるのだった。

こんなに豊かな自然があるのに、長良川が死ぬとはどういうことかと情報産業釣友会のメンバーは、鮎子に問う。そんな一行に対し、川で鮎を釣るといってはしゃいでいるが、山岡は天然の鮎が少なくなった今、放流した稚魚が大きくなった鮎を天然鮎として釣るのでは川釣りも釣堀で釣るのも大差ないと批判する。皆の雰囲気が気まずくなったとき、一行がこれから向かうはずの「川産料理・長良味」の主人、沢井が皆を迎えにくる。沢井が鮎子の婚約者だと知り、その偶然に皆驚く。 沢井は一行を長良川ならではの味ということで、しじみ尽くし料理でもてなす。最初は「なにっ!長良川まできてしじみ?」と不満をもらしていた情報産業釣友会の人たちも、食してみてびっくり。「これがしじみか?」と思えるほどおいしいのに驚く。しじみは、普通は味噌汁などで使 われるため、しじみの味が汁に出てしまう。そのため汁の中のしじみはだしがらになるので、食べるとまずいために不当に評価されていると沢井は話す。しじみは本来、実に味が濃く、いろんな料理が楽しめる素材だが、その美味しさを引き出すためには調理の仕方が大事なのだと沢井は皆に教える。そして鮎子に促されて、しじみがこんなに美味しいのは調理法だけでなく、長良川のしじみを使う事が一番大事な秘訣だと沢井は話す。長良川の河口は海水と淡水の混じった汽水域なので、そこで取れたしじみは、他の産地に比べて飛び切り味がよいと自慢する。 しじみ料理に満足した一行は、長良川まで来た甲斐があったと喜ぶので、小泉はますます鼻が高い。そんな一行を前にして、鮎子はこの天然のしじみや鮎が捕れる長良川が、死んでしまう。いや、殺されると訴える。そして鮎子は、皆を長良川に建設中の河口堰を見に連れて行くのだった。

鮎子に誘われて、情報産業釣友会の一行は長良川の河口堰を見学に行く。そこに、河口堰促進派の筆頭、土留が現れる。 ゆう子は、土留に対して、河口堰を何故ここに作るのかと聞く。すると土留は、河川の改修が必要なこのあたりの地形の問題を挙げる。そして、他の方法に比べ、河口堰を作ることで、洪水、塩害がなくなり、人口増加と工業発展にともなう水不足も解消するから一石三鳥にもなると自慢する。 その説明を聞いたゆう子は、土留に塩害被害はどのくらいあるのかと問うが、彼は答えられない。それに対し、沢井と鮎子が一番下流の長嶋町でも、0.2%から0.3%しかないと話すので、一行はそれでは河口堰をここに作る理由がないのではと驚く。 そんな一行に、山岡が河口堰の経緯を話す。そもそも、長良川の河口堰は60年代に長良川下流 の長嶋町地区の水資源確保を目的に建設が決定された。しかし、30年後の現在、必要な水量は木曽川水系に建設されたダムで十分摂取できるようになっている。また、人口減少の傾向にある中、将来的にも水の使用量が増える可能性は少ないと思えるので、もはや河口堰など必要ない。しかし、国としてはいったん決めた計画は実行しないのは慣習に反するし、また面子や利権問題なども複雑に絡み合っているから、河口堰の建設が続けられている野田と山岡は話す。 その結果、川にすむ生物たちにとって大事な葦の洲が潰されたり、環境が犯されている事は無視されている事に一行は気づく。皆は、土留に長良川をそんな死んだ川にすることが国家100年の計なのかと詰め寄る。土留は憤怒の表情で、勝手にほざいていろと言ってその場を立ち去る。情報産業釣友会の一行は、河口堰の建設を中止させるすべてのことをすることを全員一致で決議するのだった。

【出典】「美味しんぼ」塾 ストーリーブログ

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